なんだか考えることが多かった日曜日 ～日曜日の授業風景～

1947 FL 1200


「調整箇所が非常に多いナックルのシリンダーヘッド」
Fさんナックルヘッドエンジン腰下の作業が終わり、今日はヘッド周り。既にバルブガイド打ち替え、シートカット等は加工終わり、ロッカー周りの作業もほぼ終わってますので、最終チェックと微調整って言ったところ。
バルブスプリングのSET長を計測し、そのセット長にてスプリングの圧力計測。スプリング問題なく本組。写真を撮り合わせましたが、ロッカーのスリッパ部研磨し、ロッカーシャフトのセット長計測。ヘッド側のマウント部分との隙間があったのでシム調整。エンドプレイチェック& シム調整も終え、ロッカー周りのチェックごとも完了。ロッカーアームシールを取り付けロッカーの作動チェック。初めにつけたものは、ずいぶんとロッカーの動きが重くなったので、もう少し軽くなる別のシールを取り付ける。大体ヘッド周りの組み付け作業が終わったので、明日はシリンダーヘッド取り付け作用角のチェックとバルブタイミング計測。

















1946 INDIAN CHIEF


「長期保管されていただろうなぁと思われる虫食いが多い」

Nさんのインディアンはクランクの分解から。
分解前にコンロッド小端部の振れをチェック。フロント側(フォークコンロッド)は、1.1ミリの振れリア側(ナイフコンロッド)は、2.5ミリの振れとかなり振れています。クランプシャフトの振れもチェック。ドライブ側0.15に対して、タイミング側は0.02ミリ。現状のクランクピンの閉まりっぷりチェックして、クランク分解。左右クランクシャフトも分解。この両クランクシャフトは、虫食いがひどく使い物になりません。コンロッドワッシャーが割れていたり、フライホイールのクランクピン穴の1部が欠けていたりと、いろいろあります。このフライホイールを使うのが迷いどころ。
というわけで、色々と計測。クランクピンとクランプシャフト自体はそこまで摩耗しておらず。ビックエンドベアリングレースもラッピングすれば再利用できる寸法だと思われます。クランクケース側の左右クランクベアリングレースには、それぞれ虫食いがあり、ラッピングして使えるか使えないか微妙なところ。ついでにカムシャフト周りも計測作業。これから計測地獄が続きます。


















1979 FLH 1340




「BLUEやらBLUCKやらREDやら」
Uさんのショベルヘッドは、カムギアバッククラッシュ調整。
ライン加工をしたピニオンブッシュと寸法的に状態がよく、もともとのカムブッシュを再利用した組み合わせのタイミングカバーでありますが、もともとついていたカムシャフトとピニオンギアの組み合わせで、タイミングカバーに収まらなくなりました。クランク軸とピニオンプッシュのラインを正確に出したため、カムシャフト軸とピニオンシャフトの軸との芯間距離が短くなりました。そのため、元のギア同士では入れなくなったのです。ハーレーでは、カムギアとピニオンギアそれぞれサイズがカラーコードで色分けしていまして、同じカラーコードのギア同士を組むとことで、適正なバックラッシになると言うことになっているんですが、大体ありません。また、かなり芯間距離がずれたので、あてになりません。所有しているピニオンギアとカムギアを組み合わせて、良いクラッシュを狙おうとと思いますが、ストックのギア足らず…。もう少しギアのストック増やしてからもう一回チェックします。
















1935 VELOCETTE MOV


「高級テーパーベアリング」
Kさんのベロセットは前回分解したホイールベアリングのレークス抜き取りから。だいぶレースが痛んでいたのでレース抜き取り。割と圧入がきついベロセットのホイールベアリングを抜き取り、計測チェックごと。見たことがない。リアルホイールについていたベアリングは見たことがない品番だったので、手に入るか心配だったのですが、寸法的にはフロント側のホイールベアリングとほぼ同じもの。フロント側のホイールベアリングは手に入りますので、まずは一安心。ではありますが、現在このフロントホイールベアリング(TIMKEN)を品番通り撮ると、180ポンドもします… 。これを4個取ると思うと地獄です。幸サプライヤーがもう少し安価に手に入るベアリングを加工して、ホイールベアリング用にしているものが売られているので、それを使用することに。とは言うものの、そのベアリングも値段がやばいです。トライアンフもそうですが、ものによっては安易にベアリング交換ができない世の中になってきました。
たくさん螺子がやられていたロッカーボックス周り。スタンダード通りのボルトと、変えられてしまっているボルトがあるので、そのボルトを見極め、ボルト注文をするとともに、直すねじ山の選定。次回は螺子山ヘリサート祭りかな。
















1964 COTTON/TRIUMPH 500




「モトクロスモデルの適正な遊びって？」
Kさんのコットントライアンフはやリアチェーン周りから。
前回取り付けたリアチェーンは、調整しろがほどないような状態だったので、半コマを取り付けることに。で、改めてでありますが、オフロードモデルなのでかなりストロークするはず。と、チェーン取り付け後ストロークしてみると、かなり遊びが変化します。かなりだるだるに調整しとかないと、危険です。チェーンスライダーは必死ですね。というわけで、チェーンスライダーをかけてみようと見たところ、ワンオフしたチェーンスライダーとリターンスプリング。スプリングの息がイマイチで、もう一回作り直しです。
サイレンサーを中に仕込んだ、マフラーエンドの溶接作業凸凹が残ると思うので、仕上げのロウ付けをしてメッキに出します。
















1975 NORTON COMMANDO 850


「カムブッシュ単品製作」
ノートンコマンドのMさん、今日は1日旋盤作業。
カムブッシュ製作で、内輪外輪鍔部分までの加工完了。100分台の狙った寸法になりました。次回つばの厚みの調整し、取り付け作業へ。














1975 XLH 1000


「余計部分を削る」
今日はアイアンスポーツの作業するTさん。
リアブレーキドラムの踏み代が多いことで、リアドラムのチェック。リアドラムブレーキの踏み代が多くなってしまう原因としては、左右ブレーキシューが均等当たりをせず、余計な部分が先にドラムと干渉してしまうため、ブレーキ部の遊びを多くしなければ、ブレーキを引きずったままで走ることになってしまうので、ブレーキの遊びを多くせざるを得ない。ため、遊びを多くして踏み代が多くなります。
というわけで、余計に当たってるとこだけ検査し、削ると言う地味な作業です。片あたり部分が多いので、これは時間がかかるな… .。


















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