お預かりしているベロセットのギアボックス一番の問題だったのは3速ギアのギア抜け。そのあたりを解消していきます。
ハイギアベアリングを押さえ込んでいるリングナットを専用工具で外し、ハイギア・レイシャフトベアリング抜き取り。
ハイギアベアリングのリングナットはこの工具がないと外すのが厳しい。
エポキシ的なものでねじ整形されていた、プライマリーカバーマウントねじ部。
ここのねじサイズは3/16”-32山、しかし1/4”-18山に切りなおされている。
なめているだけだったらヘリサート加工も出来たが、これでは大きくなりすぎヘリサート加工が出来ず。
溶接で埋めてしまうと、ハイギアベアリングホールの歪み、変形が怖い。ビックサートなるものがあるが、肉厚が薄すぎるか・・・
幸い1/4”-18山のねじ山は生きているので、オーバーサイズボルトを製作します。
なめていたケースカバー部のねじ穴二箇所はヘリサート加工。
また、こじって空けられたであろうキック取り付け部は面研して修正。
レイシャフト周りの話へ。
ギアの状態が悪かった2速・3速ギアは新品に交換。
ブッシュとシャフトとのクリアランスも0.03mm~0.04mmと良好。
2速ギア・3速ギアのスラスト量は1速ギア・4速ギアの圧入っぷりで調整します。
もともとこの車両は3速ギアの圧入位置が悪くスラストが随分多かった。これがギア抜けの原因だと考えられる。
それぞれ0.3mm程度のスラストに。
カバーガスケット、キックのガスケットをつけ、もともとついていたスラストワッシャーを入れ、現状のレイシャフトスラストチェック。
1ストギア位置が外側に出ていた車両でありますので、レイシャフトワッシャーもノーマルのワッシャー(2.5mm)よりも1mm近く薄い。
スラスト量も1.5mmと随分多いい。
1速ギア側のスラストワッシャーだけでスラスト量を調整すると、キックギアとの距離が多くなる(1速ギアとキックギアが連結しクランキングする)と考え、4速側のベアリング内側にシムをいれギアを取り付けてみましたが、こちらにシムを入れると、2速へシフトチェンジ時にシフターフォークトギアが干渉するので、こちらにシムを入れるのは断念。
もともと入っていたレイシャフトスラストワッシャーは1.5mm
市販されているスタンダードのものは2.5mm
しかしながら2.5mmのものでもスラストが多かったのでシム単品製作。
レイシャフトのスラスト量0.3mmに。
レストアスクール生徒募集中
トリニティースクールから独立し、東京都足立区でレストアスクールを続けて行きます。
いつでも見学にお越し下さい。
また修理・オーバーホール業務も行いますので、お問い合わせお待ちしております。
アイアンスポーツ大歓迎です。
Vintage Motorcycle Study
東京都足立区入谷1-22-14 グリーンハイツ
sgf1906@nifty.com
090-2752-8638
奈良 純