1951TRIUMPH T100 シリンダーヘッドバルブガイドホール
2017年 01月 06日
今日はHさんのトライアンフ、ヘッド周りのお話。
鋳鉄ガイドに青銅系のスリーブが入っていたものです。
使い物にならないガイドを何時ものようにポート内のカーボンを徹底除去後ガイドを抜き取ったものの、4本ともヘッド側バルブガイドホールに傷が入ってしまいました。(4本とも傷が入っている・変形しているのは初めてであります。)
熱膨張率が高いアルミヘッドに対し熱膨張率の低い鋳鉄ガイドが入っているのにもかかわらず、4本とも抜き取る際、随分硬く抜くのに苦労しました。
これは、ガイドとヘッドがカジッてしまっていたためと思われます。このことについては考えるところがありますが、また後で説明します。
ともあれ、傷の入ったヘッド側ガイド穴を内径拡大し傷を無くします。
バルブガイドホールにリーマーを通し内径拡大しますが、バルブシートに対し垂直にリーマーを通すことが必要なので、冶具を製作。
冶具を使いリーミングしてみると、カーボンの付着が少なく、抜き取ったガイドが綺麗だったインテーク側の方が状態が悪い?
仮説を立てると、アルミヘッドに対し膨張率が低い鋳鉄ガイドなので、ヘッドに熱がかかりバルブの上下運動の抵抗により、ガイドが微妙に動き、ヘッドとガイドの圧入部に隙間が開き、カーボンが溜まり固着化する。
ガイドを抜き取る際にガイドホール内に固着化したカーボンが齧り傷になる。
となるとアルミヘッドに鋳鉄ガイドが入っているものがガイドを抜く際、なかなか恐ろしい・・・あくまで仮説ですが。
下画像は状態が悪かったインテーク側のリーミング作業です。
リーミング前。
ガイド鍔の座面部にもカーボンが付着しているのがわかります。
軽くリーマーを通し一皮剥けた状態。
上から下へカーボンが付着しています。ここの部分がマイナスしカーボンがついたままです。
つまりここの部分はガイドとガイドホールが密着していなかったところです。
もう少し拡大していくと、上部分とした部分だけ広がっています。
バルブの上下運動ににより、ガイドが少し動いていたことが解ります。
もう少し堀り、上側のマイナス部はほぼなくなりました。下側はの広がっている部分がなくなるまで拡大すると大分大きな穴になってしまうのでここまで。
仕上げにホーニングし綺麗になりました。
内径拡大したガイドホールにあわせバルブガイド外径を加工しガイド圧入します。
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