1958陸王RTⅡ タペットローラー
2016年 10月 29日
タペットとガイドのクリアランスは0.04mm~0.06mmと状態良いのでO.K
タペットローラーはどのローラーもクリアランス0.1mm以上とガタガタ。
ローラー外輪も随分やられていますのでローラー交換です。
カシメをもみ、チェーンカッターを使いローラーピン抜き取り。
陸王のローラーはハーレーのニードルローラーのものと違い、鉄ブッシュで受けています。
ここで問題が・・・。
ハーレーのタペットローラーが使えると思いきや、ピン径が違います。
ハーレーのローラーピンは7/32”(5.5mm)に対し陸王のピンは1/4”(6.35mm)
ガイドのローラー受け部分がハーレーのピンを使うとガタガタです。もちろんローラーインナーレースの穴径も同サイズでありまして、ハーレー用のタペットローラーは使えません・・・。
ならばタペットごと交換できるのか・・・と比べてみるとハーレー用のタペットと陸王のものでは、全長はそれほど変わらないものの、摺動部分の長さが随分違います。
ためしに組んでみたものの陸王のものを使ったほうが良いなと。
まぁ摺動部分の距離が長い陸王のタペットのほうが良いでしょうね。
というわけで、タペットローラー外輪はハーレーのリプレイス品を使い、インナーブッシュとピンは製作することにします。
インナーブッシュをアルミ青銅で製作。
まずピン穴はタペットガイドのピン受け部の径に合わせ6.35mmのリーマーを使い作ります。
外径は使うタペットローラーの外輪に合わせ製作。
生つめに銜えブッシュの長さ調整。ガイドのローラー受け部の距離に合わせ長さ調整。
ローラー外輪とインナーブッシュの距離の差がスラスト量となります。
インナーブッシュ完成。
ローラーピン製作。
細いピンなので、先端部と根元で数値が変わってきますので、ある程度切削した後、耐水ペーパーを使い研磨し、インナーブッシュに対しピッタリサイズにします。
カシメやすいよいうに先端部をセンタードリルで掘っておきます。
専用カシメ工具を使いカシメ。良い出来です。
ローラーピンがガイドと干渉しないかチェック。
クリアランスは0.01mm。心配していた偏芯も無くO.Kです。
4本とも交換。
タペットアジャスタースクリューのネジ修正とバルブとの当たり面が段付きに減っていたので修正。
ちなみにタペットアジャスタースクリューの螺子山は9/32”-32山
1インチ内に32山あるわけですから、螺子一周で約0.8mm動きます。1/4回転で0.2mm、1/8回転で0.1mmとタペット調整時に目安となります。
というわけで、随分時間がかかってしまいましたが、タペットO.Kであります。
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