1959XLCH フロントフォーク
2016年 09月 24日
72年まで使われていた33.4mmのフロントフォーク。特に前期のダンパーロッドがついているものは、なかなか面倒です。
まずは分解。
アウターチューブ下のダンパーが留まっているナットをはずすとインナーチューブとアウターチューブが分離。
スプリングをこじり、ダンパーロッドにスパナをかけ、ロッドリターナーを外すとばらけます。
分解し清掃、計測。
ダンパーチューブは固着無く問題なし。
問題は右側のアウターチューブ内のフォークブッシュ。(画像下)
ロワー側のブッシュが上まで上がってきてしまっています。確かにガタが随分多かったです。
左はのフォークブッシュはガタも少なく問題なし。(画像上)
自家製作の抜き取り工具を使い、ブッシュ抜き取り。
このタイプのフォークはアウターチューブ下側が止まりになっていて、スチール製なので中が錆びていたりするとブッシュを抜き取るのが非常に困難です。
ブッシュ抜き取り後計測。
アウターチューブ内径37.68mmに対し、新品ブッシュ外径37.65mmとブッシュの方が小さく、圧入できず新品ブッシュは使えず・・・。
というわけで、アウターチューブ内径、インナーチューブ外径に合わせブッシュ製作。
フォークブッシュはクリアランスを詰め過ぎると、フレームに車体につけた際に動きが渋くなってしまいます。
かといってガタガタにするわけにもいかないので、寸法の選択が微妙です。
ブッシュを入れる前にナメていた、ドレンボルト螺子部をヘリサート加工。
此方も同じく右側のフォーク。
ブッシュ圧入。
此方も自家製圧入工具を使い圧入。
ロワー側ブッシュはブッシュの止まり位置まで約200mmも圧入していくので、嵌め代がきつ過ぎると途中で止まってしまいます。また緩過ぎると中で動いてしまう恐れがありますので、圧入加減を見つつ、ブッシュの外径を研磨し調整。
同じくアッパー側ブッシュも圧入し、中古インナーチューブを使いラッピング。
ラッピングの際に使うバルブコンパウンドをアウターチューブ内に残らないよう、泣きながら清掃。
組みつけ作業。
ダンパーロッドとリテーナーを取り付ける際に、フォークスプリングを縮めておく必要があります。
此方も自家製工具を使い、スプリングを縮めておき取り付け。
フォークスプリングは新品に交換。
アウターチューブを取り付け、ダンパーチューブのマウントナットをシーリングし完成。
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