人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アイアンスポーツ・トランスミッションの問題点

今日は、なんやかんやと問題点の多いアイアンスポーツのトランスミッションのお話。

アイアンスポーツ・トランスミッションの問題点_a0248662_254660.jpg

まず1つの問題点は、トランスミッションとプライマリーのオイルを併用してることです。
プライマリー側のクラッチにオイルが浸かるので、ビックツインのように粘度が硬いオイルを使うとクラッチが切れづらかったり、滑ったりします。その為、柔らかいオイルをトランスミッションフルードとして使っているので、ギアや、ベアリングが消耗し易いです。
オイル交換はまめにしましょう。

アイアンスポーツ・トランスミッションの問題点_a0248662_305745.jpg

もう1つの問題点は、76年以前のXLCHモデルと77年以降の全モデルにはダンパー(コンペンセータースプロケット)機能を持たないことです。
ダンパーを持たない為、加速時や減速時の衝撃がトランスミッションギアに掛かってしまいます。
上の写真は77年以降のモデルにコンペンセータースプロケットを付けられる様にエクステンションシャフトを加工した物です。

アイアンスポーツ・トランスミッションの問題点_a0248662_3205017.jpg

上の2つの問題点からメインシャフトのセカンドギア、カウンターシャフトのサードギアのドッグ部分がやられ易いです。

アイアンスポーツ・トランスミッションの問題点_a0248662_3263788.jpg

ドライブ側、メインシャフトベアリング。
バラ玉のニードルベアリングで、ベアリングケージを使わないため、ローラー同士が擦れ合い消耗し易いです。
車体右側にある為、サイドスタンドを立てて左に傾いているとオイルが行き辛くオイル切れを起こします。
エンジン始動後は早めに車体を立ててやりましょう。

ここのローラーベアリングも0.0004”、0.0008”のオーバーサイズがあり、ガタが多くなった調整できるようになっているのですが、ベアリングレースにオーバーサイズローラーが収まるようにラッピングすると、メインシャフトとローラーの間に規定クリアランス以上の隙間が開いてしまいます。
この現象は謎です。
トリニティーでは、ここにガタがあったらベアリングレースごと交換します。

などなど、問題点は多いですがアイアンに限らず、それぞれのバイクにウィークポイントはあるものです。
そのバイクの問題点を知り、向き合って行くのも旧車に乗る楽しみではないでしょうか。
私は人もバイクも問題点があった方が好きです。



トリニティースクールでは生徒募集しています。
学校見学は常時受け付けています。お気軽にご来校ください。
詳しくはトリニティースクールHPまで。


わたくしのブログを御覧になっておる皆様、何時も有難うございます。
ブログランキングに参加してるので、クリック宜しくお願いします。
にほんブログ村 バイクブログ ハーレーダビッドソンへ
にほんブログ村
by sgf1906 | 2012-03-20 04:06 | 1968XLH900 | Comments(0)

ビンテージモーターサイクルレストアスクール         「Vintage Motorcycle Study」 東京都足立区入谷1-22-14 sgf1906@nifty.com     奈良 純


by sgf1906