クランク芯出し
2012年 03月 07日
クランクシャフトの芯の狂いは大きく分けて2種類
1.ドライブ側とタイミング側のフライホイールの位置がずれている(図C)
2.クランクピンから180度の位置が、ハの字に広がっている。又は逆ハの字に狭まっている(図A、B)
まず図Cのフライホイールのズレを直していきます。
定規を使ってズレを確認はします。
ドライブ側、タイミング側のフライホイールの大きさは微妙に違ったりするので、左右同じ隙間になるようにします。
クランクピン90度位置をハンマーで叩いて調整するのですが、叩いたときにフライホイールが動くぐらいにクランクピンを緩めておきます。(緩過ぎると動きすぎるので微妙です)
実際にダイヤルゲージでシャフトの触れを見て、良ければ図A、Bの狂いを直します。
クランクピン側とクランクピン180度位置の距離を測っておき、実際にシャフトの触れを見て調整していきます。
ハの字になっていたらシャコ万を使い縮め、逆ハの字になっていたら開き工具を使い広げます。
芯が出たら、クランクピンナットを271N.mで締め付けます。
締め付けると状況が変わり芯が振れたりするので、繰り返し芯が出るまで調整します。
どうもクランクそれぞれで個性があるらしく、変化の仕方が違うのでデータを取りながらやって行きます。
ズラズラと書きましたが、クランクの芯だしは骨が折れる作業です。
スプロケットシャフトやピニオンシャフトのテーパー部が駄目で何をやっても芯が出なかったり、フライホイールが強情で、ハの字が直らなかったり・・・色んな状況があります。
ここは大事な部分なので、信頼できる内燃機屋さんに頼むことをお勧めします。
トリニティーでは勉強としてやりますが、手に負えなそうなものはアールテックエンジニアリングさんに頼んでいます。
E藤さん、芯出し終わりましたよ。
腰下組めますね。