ヘリサート・ヘリサート・ヘリサート
2012年 01月 22日
この車両のタペットガイドのネジ山が8ヶ所中、6箇所はヘリサートされており、1ヶ所はなめていました。
ショベルビッグツインのタペットブロックは2種類あります。
1975以前のものは座面部分がテーパーになっており、ねじは1/4”-24UNS。
1976以降のものは座面部分がフラットで、ねじは1/4”-20UNC。
この車両は前期型のテーパーの1/4”-24UNSなのですが、1/4”-20UNCのヘリサートが入っていて、24山のボルトを、無理やり20山にして入れたありました。しかもヘリサートはちゃんと入っておらず、生きている24山のネジ山はそのまま、1ヶ所はなめている。
もう、めちゃくちゃです。
直すなら直す。直さないなら直さない、どちらかにしろよって感じです。
幸い、社外パーツで座面がテーパーで1/4”-20UNCのボルトが出ているので、それを使います。
まず、駄目なヘリサートコイルを一回抜き、タップを立て新たにヘリサートコイルを入れます。
なめているネジ山と、24山のネジ山に1/4”-20UNCのヘリサートを入れます。
ボール盤にクランクケースをネジ山に対して垂直にセットアップします。
下穴径は6.7mm。
ヘリサートは下穴が命です。
ヘリサートタップでネジ山を切ります。
専用工具でヘリサートコイルを入れて完成です。
初めてヘリサートをする生徒さんは、ネジの大事さを思い知ります。と同時に美しいネジ山に感動します。
ビシッとしたネジ山はカッコイイです。
ネジに異変があった時に、それを感じとれる落ち着いた心を持ちたいものです。