2012年 01月 11日

1971 FLH 1200 ロッカーアーム

僕は物覚えが悪い方の人間です。
そんな僕が何かを身につける為には、メモを一杯取ったり、反復してその作業を続けるしかありません。
知識や技術を自分のものにするのは大変です。

今回のショベルビックツインの生徒さんのIさんは、アイアンスポーツをトリニティーでレストアした卒業生でもあります。アイアンスポーツが出来た後、立て続けにビックツインを持ち込むという、内なる闘志を秘めた、知られざる変態です。


新しいブッシュを圧入後、リーミングします。
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ロッカーアームシャフトは2点のブッシュで支持されます。
その為、2つのブッシュは一直線上で、真円でなければなりません。
ロッカーアーム用の長ーいリーマーで、ストレートリーミングします。
マニュアルでは0.013mm~0.051mmとなってます。
オイルが付いた状態で、ガタなくスムーズに動くところが良いでしょう。(0.02mm~0.03mm程度)

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ホーニングをします。
ブッシュの穴が鏡面状のままだと、オイルをつけたときに、張り付いた状態になり、動きが重くなります。
(例えば、二枚のガラスにオイル付けて合わせると、張り付いて取れません。)
ブッシュに細かい溝を作ってやり、オイルが流れるようにしてやります。

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ロッカーアーム、エンドクリアランスの調整。
シムで調整します。マニュアルでは、0.1mm~0.6mmとなっています。
今回は0.2mm~0.3mmにしました。

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ロッカーアームシム。
.005” .007” .015” 3種類の厚みがあります。

これでロッカーアーム完成です。


1977 XLH 1000
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Iさんが仕上げたアイアンスポーツ。
純正オプションのシーシバーが70年代の香りを運んできます。

# by sgf1906 | 2012-01-11 03:50 | 1971FLH1200 | Comments(0)
2012年 01月 10日

1968 XLH 900 バラシ

新しい事を始めるのはイイことですね。
僕も今年になって急にデジタル化の波が押し寄せてきました。
今日もipodなるものを、M君から頂き、「何時でも何処でも、沢山の音楽が聴ける物だよ。」とレクチャーを頂きました。とりあえず、イヤーホーンを買わねばと思っております。

今日は新入生Sさんのアイアンスポーツ、バラシです。
始めのうちは、慣れていない分、少し疲れると思いますが、じっくりやって行きましょう。

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プッショロッド、オイルラインを取ります。
プッシュロッドを取るときは、圧縮上死点で。(タッペトがIN、EX共に一番下がっているところ)

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シリンダーヘッド、シリンダーを取り、ピストンを取ります。

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うっとうしい、ハーレーのピストンピンクリップ。

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ビックエンドは、ガタがありますね。
アルミの厚みのある、シリンダーベースガスケットが付いていました。
圧縮を下げていたのでしょう。

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特殊工具でタペットガイドを抜きます。

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Pカムと呼ばれる、アイアンのカム。80年代になるとQカムになり、少しおとなしいタイミングになります。

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70年までのアイアンスポーツは、乾式クラッチです。
オイルが入らないように、鉄仮面の様なフタが付きます。

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70年以前のアイアンクラッチプッシュロッド。
長いプッシュロッドは、押された時に“しなり”が生じます。
分割することでしなりを抑え、軽いタッチになります。

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カセット、トランスミッション。
アッセンブリーでトランスミッションが抜けます。

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エンジンとフレームをマウントしている、エンジンハンガー。
アイアンはここがよく割れています。

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一気にエンジンを下ろしました。
お疲れ様でした。

全体的に程度が良さそうな車両で、ちょっと安心、ちょっと残念。
個人的に大好物のアイアンスポーツ、これから楽しみです。

# by sgf1906 | 2012-01-10 02:29 | 1968XLH900 | Comments(0)
2012年 01月 09日

HARLEY-DAVIDSON 1935VLD1200 クランク分解

今日はクランク割りです。
まずは、スプリケット、ピニオンギアをとります。
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共に正ネジ。

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ボルト2本、スタッドボルト5本をぬけば・・・

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クランクケース割り!

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スプロケットシャフト虫食いが酷く、使い物になりませんね。
軸受けは、ローラーベアリング。 STDローラーサイズは、1/4”×.490”(24)
フライホイールシムでクランクのスラスト調整をします。
分解前の測定では、0.5mmもありました。

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ピニオンシャフトも駄目ですね。軸受けはブッシュで、その為、シャフト全体にわたって、やられています。
BSA A50もピニオン側がブッシュで、A50の時も泣かされました。
オイルポンプから圧送されたオイルは、ピニオンシャフトを通って、ビックエンドベアリングを潤滑しまが、ここがブッシュの場合、同士にピニオン側も潤滑しなければなりません。
その為、ここのブッシュにガタがあると、圧が抜け、ビックエンドに行くオイル量が減ってしまいます。
ここのクリアランスは適正にしなければなりません。
しかし、これだけ長い距離のブッシュです。ブッシュの芯がずれていたり、クランクの芯がずれていたりしたら抱きつきの原因になってしまうでしょう。
VLの問題点といえます。


最後にクランク割り!
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思っていた通り、ビックエンドも駄目です。
ビックエンドローラーサイズは1/4'×.360'(24)、1/4'×.726'(12)

客観的に見るとまさに無残!でも、あの頃はそれでも楽しかったな。このブログを書きながら、あの頃の情熱が沸々と甦ってきました。
明日になったら忘れてると思いますが・・・。

次回はトランスミッションですかね。

# by sgf1906 | 2012-01-09 01:00 | 1935VLD1200 | Comments(3)
2012年 01月 08日

授業スタート

トリニティースクール、新年一発目の授業です。

1968 XLH 900
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今日からスタートする新入生Sさんのアイアンスポーツ。
トリニティースクールに入る為に、自分で仕入れた念願の60年代アイアンセル付き。

1979 FXS 1340
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当時の新車より美しいと思わせる仕上がりのTさんのローライダー。
チジミ塗装に、ロッカーカバー、カムカバー、キックカバー、シルバーペイント。
配線が終われば卒業ですね。

1978 FXS 1200
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ある人物の思想を引き継ぎ、レストア中のNさんのローライダー。
グリメカ ブレーキキャリパーサポート製作中。
これから外装を取り付けていきます。

1971 XLH 900
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900ccから1000cc、過渡期のマニアックなアイアンスポーツ。
去年は女運がなかったK君。もうほとんど卒業です。
クラッチが滑り気味なので、改善します。

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ダラダラと、いや和気藹々と今年一発目の授業スタートです。

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親切丁寧な指導。

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 憎っくきフォアコンをもぎ取り、歓喜するSさん。

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バイクと関係ないことを考えながらニヤニヤするK君。

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新年早々、暇つぶしに来る卒業生Mおやじ。

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そんなこんなで一日は終わって行きます。


小ネタ
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70年代ハーレー純正の配線コネクターです。
一本の電源を複数本に分岐する物ですが、三本の端子を一枚の鉄板で繋いでいます。
ここが振動などで、ガタでき、接触不良やショートしたりします。メインの電源なので、これはいただけません。
トリニティースクールでは、普通のキボシ端子を使います。圧着をちゃんとすれば、接触不良も少ないし、トラブル時、手に入りやすいです。電気トラブルでバイクが調子が悪いのは切ないです。


新年早々、トリニティーにバイクいじりに、遊びに、暇つぶしに、冷やかしに、顔を出しに着て貰ってありがとうございます。
バイクいじりは、みんなで笑いながら、考えながら、苦しみながらやるのが、楽しいです。
去年は色々ありましたが、今年もトリニティースクールをよろしくお願いします。

# by sgf1906 | 2012-01-08 00:13 | その他 | Comments(0)
2012年 01月 07日

HARLEY-DAVIDSON 1935VLD1200 タイミング側分解

今日はタイミング側(カムギア側)をバラシです。

まずはエンジンを下ろします。
他のBTと同じ様にエンジンケースがフレームに乗っかり、4本のボルトナットで止まっています。簡単ですね。
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このタイプのシングルグレードルのフレームは、ダブルグレードルのフレームに比べ捻られる力に弱く、その力がクランクケースにかかり、クランクケースマウント部分がやられてる事が多いようです。
このVLDもリアのタイミング側に溶接跡がありました。

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まず、オイルポンプ、サーキットブレーカーをばらします。
オイルポンプはスタッドボルトで止まっており、2本のナットを取れば、外れます。
スタッドボルト 9/32-32 めずらしサイズ

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サーキットブレーカーはブレーカーカバーリテーナーを上に上げてしまえばとれます。
本当は進角ケーブルが付いてる筈ですが、コイツは固定にされていました。

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14本のカムカバーボルトを抜けばカムカバーは外れます。
ボルトサイズは1/4-24UNS また、めずらしサイズです。
左上の所にオイルポンプケーブル、進角ケーブルマウント的なものがあるはずなのですが、見るも無残になくなっております。
60年代まで使われていた、oval counter sunk head screw。座面部を多く取る為、テーパー状になっています。このネジ、ほんとカッコイイです。

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奥側から1番カム、2番カム、ピニオンギア、3番カム、4番カム、アイドラーギア。
1番カムにサーキットブレーカーカムが、4番カムにオイルポンプを回すウォームギアが、カムシャフトと一体になっている。
なぜか、お味噌がたくさん塗ってありました。

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専用工具を使ってタペットガイドを抜きます。

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抜けたタペットとタペットガイド
ちなみにタペットガイドスクリューも1/4-24UNSです。

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タペットボディーも減っており、ローラーも虫食っていて使い物になりません。

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1番カムと4番カム。
サーキットブレーカーカムとウオームギアがシャフトと一体になっています。
ブレーカーカム、ウオームギアがやられてしまったら、シャフトごと交換しなければなりません。
実際に、このVLDもウオームギアが割れていました。(ギア自体虫食いがひどく使い物になりませんが)
VLのタイミング側のリプロ品はほとんどありません。困ったものです。
だがしかし、ブレーカーカムとカムシャフト一体式ってどうやって作っていたのでしょう。すごく手が掛かっていますね。

なんだか不幸自慢になってきました。(まだまだ続きますが・・・)
しかし酷い状態から良いものに直していく事に喜びを感じます。レストアの醍醐味です。
最近では問題が多いほうが嬉しくなります。涎がでます。
って訳で、次回はクランクケース割、ですかね。

# by sgf1906 | 2012-01-07 02:43 | 1935VLD1200 | Comments(0)