2012年 01月 30日

1971XLH900 クラッチスプリング

今日はアイアンスポーツのクラッチスプリングのお話。

もうすぐ卒業のK君のアイアンスポーツ、クラッチが滑り気味なので再調整をします。
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特殊工具を使って、リリースディスクを外します。
1971年以降のアイアンは、インナーとアウターの2本の馬鹿でかいクラッチスプリング。

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「クラッチが重たいとバイクにのれないのですぅ。」などと我がままを言うので、やわやわインナークラッチスプリングを付けて見たのですが、滑ってしまいました。
やわやわインナースプリング(左)スタンダードインナースプリング(中)アウタースプリング(右)

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1971年から1985年までアウタークラッチスプリングは2種類あり、自由長が違います。
1971年~1974年E 45mm
1974年L~1985年 60mm (写真インナースプリングと同じ長さ)

1974年L以降のものに、ヤワヤワインナースプリングを付けても、滑らず軽くなります。
つまり1974年E以前のものに付けてしまうと、柔らかく成り過ぎてしまう訳です。

K君有難う。お陰で勉強になりました。

# by sgf1906 | 2012-01-30 01:46 | 1971XLH900 | Comments(0)
2012年 01月 29日

ベンディックス キャブレーター

今日はアイアンスポーツのベンディックスキャブレーターのお話。

このキャブレーターはカブリや、オーバーフローしやすいキャブレーターで、加速ポンプの調整機能を持たず、アクセルを開ける度に、ドバドバとガソリンを吐き出します。日本の交通事情に不向きに思われますが、その荒々しいフィーリングはいかにもハーレーらしく、アイアンには合ってると思います。
ちなみにこのベンディックスは、メインのガソリン量を、回して調整できるタイプです。

という訳でフロートレベルの調整です。
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マニュアルだと、3/16”(4.76mm)のドリルが入る位の隙間にしろ!と書いてありますが、
これだと濃すぎて殆ど調整が出来ません。
5/16”(7.9mm)ぐらいが良いと思います。(フローとがボディーに対して水平になるぐらい)

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7.9mmのドリルで調整します。実際にガソリンが流れる状態で、7.9mmのところでガソリンが止まる様に調整します。(この後、実際に走って微調整します。JET類を持たない、このキャブはフロート調整が大事です。)


加速ポンプのガソリン量を減らします。
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スロットルシャフトと連動している、U字型した加速ポンプのレバーが加速ポンプのピンを押している間、ガソリンは出続けます。
つまり、このピンを上の位置にし、加速ポンプが働くストローク量を減らしてやれば良いのです。

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加速ポンプをばらし、ポンプのシャフトに新たに穴を開けピンを刺します。

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これで加速ポンプのガソリン噴出量は減ります。

パイロットスクリューの調整は、アイドリング時にパイロットスクリューを回し、アイドリングが一番高くなるところ。(安定するところ)
メインスクリューの調整は、乗りながらの調整ですが、加速時にガス欠のような感じで、パワーが出ないときは薄いので、濃い目にスクリューをまわす。
逆に、燻ぶった感じで重ったるく回るときは濃いので、薄い目にスクリューを回します。

感覚的で解りづらいですが、この車両の生徒さんのK君も、初めてのキャブ調整で苦労しながらも、この感覚を身につけていきます。
この不完全な物を自分で調整し、良くなっていく快感を知る訳です。


トリニティースクールでは生徒を募集しています。
見学はお暇なときにどうぞ。 詳しくはトリニティースクールHP

# by sgf1906 | 2012-01-29 01:53 | 1971XLH900 | Comments(0)
2012年 01月 28日

1935VLD1200 オイルポンプ

今日はハーレーVLDのオイルポンプのお話。

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1934年から1936年の2年間しか使われなっかたオイルポンプで、オペレーションディスクがプランジャー(ピストン的なもの)を押し、オイルを圧送する仕組み。
凝った仕組みではありますが、行き側しかないオイルポンプ(この年式のハーレーはトータルロス)の割には大袈裟に感じます。

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陸王のパーツリスト。解り易いです。

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4番カムのウォームギアがオペレーティングシャフトを回し、オペレーティングディスクを回します。
オペレーティングディスクのディスク部分は斜めに付いていて、この斜めディスクが回ることによって、プランジャーを押すわけです。
残念ながらディスクは割れてました。

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オイルポンプ右側の仕組み。
アクセルと連動しているカムが付いおり、アクセル開度によってこのカムがオペレーションディスクを押す量が変わり、オイル圧送量が変わります。
このカムを上下させ、圧送量を調整しています。

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オイルポンプ左側の仕組み。
オペレーションシャフトと連動してオイラーバルブディスク回ります。
プランジャーで押されたオイルはここで加圧され、バルブのそれぞれの穴からクランクビックエンド、チェーンオイラーへいきます。

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大分解りずらいですが、大まかな仕組みです。
そのうち、お絵かきでもして解り易く説明しようと思っています。(2年間しか使われていなかったオイルポンプ、知りたい人は少ないと思いますが・・・)

このオイルポンプのリプロパーツは出ておりません。直すのは厄介ですね。


ちなみに、
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陸王のパーツリスト。
展開図で描かれており、パーツナンバーもハーレーと同じなので解り易く便利です。(少し違う部分もあります。)

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ハーレーのパーツリスト。
格好良いのですが、パーツがズラズラと並べられてるだけで解りづらいです。(戦前のパーツリストは大体このタイプですが・・・)

# by sgf1906 | 2012-01-28 03:10 | 1935VLD1200 | Comments(0)
2012年 01月 26日

1960 VELOCETTE VIPER

ノートンコマンドで卒業したSさんのベロセット・バイパー。
エンジンオーバーホールでお預かりした車両です。
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レストア済みのような美しい車両。
マグネトー不良で、エンジンはかかりませんでしたが、これはおいしい仕事だぜ、エヘ。
解ってる。解ってます。美しい外見に惑わされてはイケマセン。
外見より中身が大事なのです。解っているのに騙されてしまう僕です。


と言う訳でクランクです。

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ビックエンドのガタが多かったのでばらします。

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ローラーは目で見て解るぐらい、減っています。

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クランクピンもベアリングレースも駄目です。

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タイミングシャフトのネジ部が加工されていました。
タイミングシャフトのネジサイズは1/2”-20、逆ネジです。(写真左)
ここにオイルポンプを回すウオームギアが付く為、タイミングシャフトナットが緩まないよう逆ネジになっています。
しかし、ここのネジ部が7/16”-18に加工されていました。しかも正ネジです。(写真右)
ナットが揺まないようカシメられていました。
なかなかやってくれます。まぁ、こーゆー物を直すのがレストアの醍醐味って事で。
タイミングシャフト、ビッグエンドアッセンブリーで交換です。



トリニティースクール卒業生のお二人がブログを始めたので紹介します。

最近、青い春が来たらしいトライアンフ・トロフィー狂いのTさんのブログ after hours
「ボルトとナットの違いを知らなかった。」と思えないほど狂っているNさんのブログ NTN Motor Shack

良いか悪いかとかではなく、幸か不幸かとかでもなく、ただただ、こうなってしまったのです。

# by sgf1906 | 2012-01-26 06:21 | 1960 VELOCETTE VIPER | Comments(0)
2012年 01月 25日

バルブシートカット&すり合わせ

今日はショベルビッグツインのバルブシートカット、すり合わせのお話。
バルブスプリングの話と順序が逆になってしまいました。スイマセン。

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ヘッド側バルブ外ガイド穴の内径を測定し、使うガイドを選定し圧入しました。
コイツはF側、R側共にインテーク.002”o.s エキゾースト.006"o.s
ROWE Ampco45 を使いました。

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バルブガイドリーマーでリーミング後、ホーニングします。
バルブガイドクリアランスはIN側0.03mm EX側0.06mmぐらいにしました。
EX側はIN側に比べ熱を受け膨張する為、クリアランスを多く取っておきます。

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バルブシートカットをします。
一般的にスリーアングルでカットします。
バルブとの当たり面は45度部分で、30度・60度をカットして、実際にバルブにあたる面幅や位置を調整します。
ハーレーの当たり面幅1.5mm。
バルブの当たり面は、バルブの熱をヘッド側に逃がす役目もしているので、排気側はこれより少し多めでも良いと思います。

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バルブコンパウンドを付け擦り合せです。
シート全周に擦り合せられてていればO.Kです。
バルブガイドがシート面に対し垂直に圧入されていれば楽に擦り合います。

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ちょっと解りずらいですが、つや消しになっているところ、当たり面です。
これでバルブスプリングを付ければ、バルブ回りは完成です。



出会いと別れのトリニティー(by 富成校長)

あのタイヤ交換でお馴染みの、Sさんが青森の実家に帰るそうです。
トリニティースクールに入る為、東京に出てきて7年。長いようで短い、短いようで長い時間がたったものです。
7年前といえば丁度、ハーレークラスを造っていたときですね。色々と想い起こされます。
通勤で使わず、年間1万キロ以上走るSさん。トライアンフは幸せです。
Sさん、またね。
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# by sgf1906 | 2012-01-25 04:25 | 1971FLH1200 | Comments(2)