カテゴリ:1953FL1200( 7 )


2015年 09月 27日

1953FL1200 卒業

Nさんのパンヘッド完成・卒業!
ということで、ブログを見直してみると「1953FL1200」にあまり書き込んでないことに気がついたのでダイジェスト的にお送りします。

今回の車両は腰上とミッションのみのオーバーホール作業でした。
トリニティー時代は、ほぼフルオーバーホール作業でひとつひとつ駄目だしをしながらの作業でしたが、独立開業し幅を広げる為に、レストアスクール、修理依頼でも部分修理を受けるようになりました。
生徒さんの意向や時間・金銭的な関係から部分修理コースをするようになったわけですが、部分修理の難しさを知りました。
車両や年式による構造、部品の違い。以前の修理のされ方や消耗具合など、分解しない部分は、オーナーさんとの口頭でのやり取りや、今までの経験則での想像で考えなくてはなりません。
今回も色々と考えもよらぬトラブルがありながら、勉強させて貰いました。
また、一人でやる修理作業の場合頭を抱える問題でも生徒さんと共にやるスクールの場合、とりあえず笑えることが出来ました。



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プライマリー周り

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ミッション取り付け後、プライマリー周り取り付け。
段つきが酷かったクラッチハブ、ベアリングローラーは新品に交換。
クラッチは面研をして取り付け、クラッチ調整。

走行しミッション、クラッチ問題無し。




シリンダー・ヘッド取り付け

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シリンダー・ピストンは状態良く、リング交換・シリンダーホーニングのみ。
ヘッドはマニホールド取り付け部分を平行にして取り付け。
規定締め付けトルク弱で取り付け。




タイミングギア周り

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問題だったのはカムカバー。
今回クランク、タイミングギア、オイルポンプを含む腰下部分はやる予定は無かったのですが、このエンジンはケースには53の打刻、しかしながらエンジンは63年以降のアウトサイドオイラーのもの、カムカバーは62年以前のカムカバーが付いていました。
つまり、今までヘッドにオイルが行っていなかったと思われます。なんとなくプッシュロッド側から行っていたのか?
ともあれカムカバー交換。

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でオーナーNさんが手に入れてきた社外カムカバー。
この新品カバーで面白かったのがピニオンブッシュはシャフトに対しクリアランス0.05mm程度で作られているのですが、カムブッシュはシャフトに対し0.1mm以上大きめで作られています。
ポン付けできるようにあえて大きめに作られているのでしょう。
ケースを割らないかぎり、カムブッシュ交換、調整が出来ないのでコイツはこのままで行くことに。
部分修理のジレンマを感じつつ、しょうがない様子を見よう。

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カムスラストチェックをして組み付け。
これが後、悪夢に。


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エキパイがヘッドに斜めについていたため、エキパイを曲げ調整しマフラー取り付け。
パンヘッドのエキパイ取り付け部がやられていることは多いです。




エンジン始動。
アイドリングは安定しているものの、エンジンの始動性が悪い。
不安だったカム周りからの異音も無く一安心。


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組み付け前に清掃しているものの、改めてキャブチェック。
パイロットジェットに頑固なカーボンが付いていました。フロートレベルのも再チェック。セッティングし直しパイロットジェットは番手を上げる。
私はあまり好きじゃない割りタイプのインマニバンドでしたが、2次エアは問題無し。


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で前回にお話した事件。
試乗を何回か試乗を済まし、問題なしと思われたがエンジンがロック気味で止まる。
カムスラスト不足でカムシムが抱きつきました・・・。
スラスト量調整の際にカムカバースクリュー締め込み不足で、本組みした際にスラストが無くなっていました。
私の指導足らずで落ち込みました。







色々と問題がありながらも無事完成。
この後、慣らし、増し締め、オイル交換、もろもろ微調整ごとはありますが、問題なく普通に乗れるお気楽パンヘッドになりました。




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奈良 純

by sgf1906 | 2015-09-27 09:27 | 1953FL1200 | Comments(0)
2015年 04月 26日

1953FL1200 ロッカーアーム(ヘッド周り作業)

今日はNさんのパンヘッド・ヘッド周りのお話。

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上側と下側で0.05mm以上テーパー状になっていたリアエキゾーストのヘッドガイドホール。
うちでのリーマー加工では手が負えずアールテックさんに依頼し真円加工してもらう。
少々内径は大きくなったものの、無事真円に。

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ガイドホール径に合わせガイド外径加工。
kibblewhite製のMAXオーバーサイズ(外径14.99mm)のものを14.66mmまで切削。
ガイド内径も予めリーマー加工。

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ヘッドを暖めガイド圧入後、リーマー加工。
その後シートカット&擦り合せ。前回ブログにあげているので省略。


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インナースプリングを仮組みてバルブスプリング取り付け長チェック。
状態は良くシム調整は無し。

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御多分に洩れずシリンダーヘッドボルト雌ネジ部分は歪んでいたので面研。

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ロッカーアーム&ロッカーアームブッシング。
ロッカーとブッシュのクリアランスは大きいところで0.09mmあったので加工。


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ロッカーアームの段つきがあったところは研磨し4本とも外径22.19mm
ロッカーブッシングは面研し内径ホーニングしてアームに対して0.03~0.04mmのクリアランスに。
アームのバルブとのあたり面も研磨。
こちらはすべてアールテックさんでの加工です。

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ロッカーアームナットを規定トルク25N.mで締め付け、渋さやガタなくヌルりと動きます。


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こちらも御多分に洩れずナメていたロッカーカバーボルトをヘリサート加工し、ロッカーカバーを取り付けヘッド完成です。

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by sgf1906 | 2015-04-26 00:10 | 1953FL1200 | Comments(0)
2015年 03月 08日

1953FL1200 バルブガイド&シートカット

今日はNさんのパンヘッド、ヘッド周りのお話。
バルブステムは消耗していたので、全交換。
バルブガイドはF側EXは状態が良かったのでそのまま。R側はIN、EXともにガタが多かったので交換。R側のEXの減りっぷりがおかしいので少々不安だったのですが・・・。

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ヘッド側のバルブガイドホール計測。
R側EX以外は楕円無く問題なし。
R側EXは入り口と出口で0.05mm数値が違いテーパー状になっている・・・。

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状態の良い、フロントIN、リアINのバルブガイドは何時もと同じ、ガイド内径を予め拡大。外径もヘッド側バルブガイドホールに合わせ+ハメ代分になるように外径研磨。

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こちらも何時もと同じく、圧入後ハメ代分縮んだガイド内径をバルブステム径+クリアランス分のリーマーで内径拡大。

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シートカット&擦りあわせ。ポート内に灯油を入れ漏れチェック。

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問題のリア側EXのバルブガイドホールは、冶具つくり、バルブシートに対して垂直にリーマーを通したのですが、どうしてもリーマーが片あたりしてしまいます・・・嫌な予感が当たりました。このパターンは初めてであります。
リア側EXだけシートリングを打ち変えた形跡があり・・・もしかするとガイドホールに対してシートリングが垂直に入っていないのかもしれません。
うちでやるリーマー加工では手に負えないと判断し、内燃機屋さんでフライス加工してもらいます。




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by sgf1906 | 2015-03-08 22:56 | 1953FL1200 | Comments(0)
2015年 02月 17日

1953FL1200 キックスターター周り

今日はNさんのパンヘッド、キック周りのお話。

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まずはスターターギアブッシュ。
ガタがあったのでブッシュを抜き製作します。

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キック始動時だけではなく、エンジンが動いているときは常に回転しているメインシャフト上で摺動しています。
おまけにスタータークラッチスプリングに押されているスターターギアはスタータークランクのカムプレートにより片側だけ押さえつけられることで保持されているため、ここのブッシュにガタが出てしまっていることが多いです。
このブッシュにガタがあると、キックギアの抜けの原因になります。


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オイル溝も切り完成。

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圧入後、ハメ代分縮んだ内径をホーニングして調整。

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ガタ無くスルスルに。

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クラックが入っていたキックカバーは社外のものに交換。
キックシャフトに対し付いていたブッシュが渋いのでホーニングして調整。

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仮組みしナットを締めるとスラストが無く固着。
スタータークランクワッシャーが厚いようです。カバーを変えたことで帳尻が変わってしまいました。

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今回はワッシャーの厚みを薄くするのではなく、スターターシャフトの鍔部分を切り帳尻を合わします。

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スターターシャフトとスタータークランクの"止まり部分”が少々ブッシュより出るように調整。

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キックアームが上を向くときにスタータークランクのピン位置がこの位置に来るように組みます。

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ガタがあったキックアームはプレスします。

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そしてもうひとつキックカバーを交換したことで弊害が。
スタータークランクとスターターギアの位置関係が微妙に変わり、クランク時のギアのかかりが悪くなりました。
カムプレートを少々削り解消。
というわけでキック周り完成です。






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by sgf1906 | 2015-02-17 02:21 | 1953FL1200 | Comments(0)
2014年 11月 16日

1953FL1200 トランスミッション組み立て(メインシャフト)

パンヘッドのNさんはトランスミッション組み立て。
ご多聞に漏れずドレンボルトから。

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ヘリサート加工されていたドレンボルト。
コイルが長すぎ、ボックス内で取れかかっていたので抜き取り、新たに入れ直します。

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しかしながらこのネジ穴、斜めに開いてしまっています。ミッションを降ろさず作業したのでしょう。
このネジ穴を垂直にするにはコイルを取り、斜めに開いたネジ穴を取りきれる大きさの下穴を開け、大きなサイズのネジ穴を切らなくてはなりません。
オーナーのNさんと相談し、今のネジ穴に対して垂直に座面を作ることに。

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ドレンにスタッドボルトを入れておき、スタッドボルトをチャックに銜え、この状態でケースをセットアップ。

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軸付砥石を使いボルトに対して垂直に座面を出します。

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ピターリ。

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コチラはメインドライブギアブッシュ。
抜けかかっていたメインドライブギアブッシュはJIMS製の物に交換。

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予め専用生爪に銜え、旋盤で内径拡大。
小さめに作られているブッシュ内径をシャフト径+クリアランス分の大きさまで広げておきます。

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圧入後、中古シャフトを使いラッピングしホーニングで仕上げ。


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コチラはメインベアリングレース。
大分広がり、0.02mm楕円・テーパーになっていたレースをラッピング。

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真円になったのがレース内径47.80mm時
最大サイズの0.001”o.sのローラー(3.20mm)を入れクリアランス0.04mm。
ギリギリラインです。
これ以上大きくなっていたらレース交換でした・・・。

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by sgf1906 | 2014-11-16 00:28 | 1953FL1200 | Comments(0)
2014年 10月 29日

1953FL1200 ヘッド回り分解・計測

Nさんのパンヘッド分解後、清掃・計測作業です。

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こびり付き固まったカーボンを剥離剤を使い溶かしながら清掃。
特ににガイド付近のカーボンはガイドを抜く際にヘッドのガイドホールを傷つける恐れがあるので、念入りに除去します。

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清掃作業が終わりそれぞれ計測。
ローカーアームはほぼ段付きも無く良好。

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ロッカーアームベアリング内径計測。
ロッカーアームベアリングスタッドナットを規定トルクで締め付け計測。
楕円は少々・・・大きいところではロッカーアームに対してクリアランスが0.09mm程度あるので真円加工します。
ボトム側のロッカーベアリングの面をフライスで削り、縦方向のロッカーベアリングの内径を縮めておき、トップ側とボトム側を組んだ状態でラッピングし、使うロッカーアームと合わします。



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バルブガイド径も計測。
EX側はバルブステム径に対してクリアランス0.06mmでO.K
IN側はクリアランス0.09mmあるのでガイド交換。






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by sgf1906 | 2014-10-29 12:21 | 1953FL1200 | Comments(0)
2014年 09月 07日

1953FL1200 授業開始

新入生のNさんのパンヘッド、授業開始。
80年代にアレンネスがカスタムしたものらしいです。
分解前の試乗では、キャブからバックファイヤーで2次エアの疑いと、ヘッドからの共振音、クラッチの切れなどが問題。そんなには状態が悪くないと思われます。

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インマニのOリングは硬くなり割れています。

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ヘッドは後期の外にオイルラインが出ているものに交換されています。

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ロッカーアームカバーパッドが入っていません。共振音の原因はコイツでしょう。

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リアヘッドのマフラーマウント部は大分削れてしまっています。
リアエキゾーストの取り付け方を考えなければ。

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シリンダーヘッドボルトのマウント鋳込み部分は少々出てきています。
コイツは面研。

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ピストン、シリンダーには傷は無く良し。
スモールエンド、ビッグエンドのガタは良好。







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by sgf1906 | 2014-09-07 09:24 | 1953FL1200 | Comments(0)