1973XLCH1000 分解・清掃・計測作業
2016年 12月 21日
Kさんは自らオーバーホールするべくアイアンのベース車を購入。分解しVMSに持ち込みました。
まさにレストアベース車という感じでありまして、こういうオンボロ車を直して行くのは非常に大変ですが、レストアの醍醐味でもあります。
まずはクランク分解。
クランクがしっかり錆びてしまっています。
分解し錆びとり&清掃。
でクランク周り計測作業です。
コンロッドビッグエンドベアリングレースはフロント側は深そうな虫食いあり。
リア側レフトサイドレースは内径41.33mmと随分広がっています・・・。
コンロッドベアリングレースは交換したほうが良いでしょう。
スモールエンドブッシュ抜き取り計測。
といってもフロント側はすでにブッシュが抜けかかっている状態。
計測すると、リア側は良いが、フロント側は0.25mm縦方向に楕円になっています・・・。
真円加工が必要です。
ピニオンシャフト、ピニオンシャフトベアリングレースは状態よし。
カムギアさんは残念ながら状態が悪く駄目。
4カムギアのアイアンさんはケチって1個、2個とギア交換するとカムギアのバッククラッシュの問題が出てきますので、4つとも交換します。
カムブッシュ・ピニオンブッシュ計測。
ピニオンブッシュはシャフトに対し0.12mmのクリアランスと広がっているのでブッシュ交換。
#2、#3カムブッシュは抜きて来てしまっていたのでブッシュ交換。
ほかのブッシュは新品カムシャフトが来てから検討。
タペット&ガイド計測。
ローラーはのクリアランスはそれぞれ0.05mmと微妙。
タペットとガイドのクリアランスはそれぞれ0.08mm~0.1mmとガタ多めです。
オーバーサイズタペットに交換予定。
トランスミッション清掃計測。
良かった。こちらはギアシャフトともに状態良し。
スプロケット側メインシャフトベアリングレースは広がっていましたのでレース交換。
このベアリングレースはラッピングしてオーバーサイズベアリングを入れることが出来ますが、レースを交換してしまったほうが良いです。
クラッチギアブッシュ&ベアリングはともに交換。
カウンターシャフトは1STギアブッシュ交換。
シリンダー計測。
フロントシリンダー径82.79mmに対しリアシリンダーは81.60mmと0.9mm近くフロントシリンダーが大きい・・・。
リア側は.030”o.sピストンでボーリング出来るが、リア側は.060”o.sピストンとなります。
もちろん、前後違うサイズでボーリングするわけには行きませんので、.060”o.sで合わせるか・・・う~ん。
シリンダーヘッドはカーボン除去して計測。
バルブとガイドのガタはIN側0.11mm、EX側0.25mmと随分ガタがありますのでガイド交換。
またバルブも随分減っていますので交換します。
でガイド抜き取り計測。ガイドホールは状態よく、STDサイズのガイドで行けます。
ロッカーアームはシャフト、アームともに状態良し。
ブッシュは大分縦方向に減っていますので交換します。
というわけで次回はケース周りの手直しごとです。
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奈良 純