1958陸王RTⅡ オイルポンプその2
2016年 12月 15日
オイルポンプ組み付け、オイルポンプギアクルクルチェックが終わっているオイルポンプ。
オイルの回りっぷりチェックします。
ここでオイルの流れについて。
仕組みはアイアンスポーツに似ていますので図を引用させてもらいます。
まず、オイルタンクから自重で落ちてきたオイルはオイルポンプフィード側のギアで加圧されチェックバルブを開き、カムカバー通りピニオンシャフトブッシュへ。
ピニオンシャフトブッシュに行ったオイルはピニオンシャフトを通りコンロッドビッグエンドを潤滑。
また、このRT-2の場合はピニオンブッシュからカバー側カムブッシュのオイルがいくようになっています。
ビッグエンドいったオイルはクランクケースに落ち、クランクの回転でシリンダーを潤滑。
クランクケースに溜まったオイルはピストンのダウンストローク時にオイルポンプのブリーザーバルブが開き、クランクケースからギアケース内に、ギアケース内を潤滑します。
ギアケース内に溜まったオイルはオイルポンプに落ち、オイルポンプリターンギアによりオイルタンクに戻っていきます。
でここからは、ブリーザーギアのタイミングについて。
先ほどお話した通り、ピストンのダウンストローク時にブリーザーバルブが開きギアケース内のオイルが行きますが、この陸王は分解時ブリーザータイミングが狂っていたようです。
写真ブリーザーギアの青線位置がブリーザー開放位置。
ブリーザータイミングがずれていると、クランクケースからのオイルの戻りが悪くなるのと同時に、タイミングギアケースからブリーザー(ピストンダウンストローク時の負圧)を抜くようになっていますので、ケース内の内圧が逃げにくくなり、クランクシャフト軸受け部など、別の場所から圧が抜けオイル漏れの原因になります。
でこちらが正しい位置。
ブリーザーギアの丸印が見えるとこでオイルポンプのウォームギアの印が上に向く位置で組みます。
このときピストンが下の位置に来たときにブリーザーバルブが開きます。
でその位置でピニオンギアを組むとそれぞれカムのタイミング位置で組むことが出来ます。
でオイルをまわしオイル回りっぷりチェック。
ビッグエンドまでしっかりオイルが流れました。また、他のハーレーと違いカムブッシュにオイルが圧送される分、戻り側のオイルも早く落ちてきました。
これで、オイルポンプ周りO.K。次シリンダーを仮組みしてカムタイミングチェック後、エンジンをフレームに搭載します。
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