1951TRIUMPH T100 エンジン腰下分解作業&計測作業
2016年 12月 12日
今日はHさんのトライアンフ・タイガー500のエンジン腰下分解作業のお話。
コンドッロスモールエンド部のガタをチェックしておき、コンロッド分解。
ビッグエンドジャーナルは深い傷などなく良さそうだ。
クランク分解し、ビッグエンドジャーナル部のスラッジ清掃ともにケース周りも清掃。
フライホイールは随分と穴が開いていますのでバランスを確認するころが必要です。
クランクシャフトベアリング抜き取り。
ケースを暖め、ケースにだいぶ熱がかかったところで、スポンとベアリングが抜けベアリングとケースの嵌り具合は良さそうだ。
ビッグエンドジャーナル、コンロッドビッグエンド計測。
ビッグエンドジャーナルは深い傷、変形などなくタイミング側35.77mm、ドライブ側35.78mmと以前にリグラインドされています。これ以上は研磨したくない数値。
コンロッドメタルは元々はバビットメタルのはずですが、交換できるタイプのメタルがついているスモールユニット用のコンロッドに変えられているようです。
コンロッドボルトを規定トルクで締め付け内径計測。縦方向はビッグエンドジャーナルに対し0.02mm~0.03mmのクリアランスだが横方向は0.09mm~0.10mmのクリアランスがあります。
形状上横方向のクリアランスは多少しょうがないですが、新しいメタルをあわせ確認してみなす。
問題のクランクシャフト計測。
ポンチ攻撃がされていたドライブ側はベアリングインナーレースに対し0.04mm小さく手スポ。
タイミング側もベアリングに対し0.02mm小さい。
新しいベアリング径にもよりますが、クランクシャフトを溶射し太らせる必要があるでしょう。
クランクケースのベアリングハウジング部はベアリングに対し嵌め白0.02mm程度でこちらは良好。
カムシャフト、カムシャフトブッシュ計測。
カムシャフトはIN、EXともに状態良し。
カムブッシュがカムシャフトに対し0.08mmのクリアランス。こちらはブッシュ交換します。
シリンダー・ピストン計測。
ピストン径は62.90mmとSTDサイズのピストンが入っていました。
アルミシリンダーは始めてやるのでしっかりと見極めが出いきませんが、シリンダーはスリーブを打ち変えていると思われます。で、シリンダー径はピストンに対し大きいところで0.29mmと随分減っていますのでボーリング決定です。
タペット&タペットガイド計測。
アルミシリンダーに対し、アルミガイドが入っていまして、このガイドの抜き差しが非常に大変だと聞いております。無事を祈りつつ計測。
タペット自体はほぼ減っておらず良好ですが、アルミガイド側はタペットに対し0.08mmと少々クリアランス多目。。。しょうがない交換しますか。
と意を決したところで今日はここまで。
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