1958陸王RTⅡ クランクスラスト&オイルポンプ
2016年 12月 11日
今日は修理依頼でお預かり中の陸王さんのお話。
クランクシャフト軸受けベアリングのラインだしラッピング、クランク芯出しが終わっていますので、クランク仮組みしてスラスト調整です。
ドライブ側は1/4”のローラーが2連でつきます。ラッピング後のレース内径が34.96mm、シャフト径が22.225mmなので6.35mmのローラーを入れクリアランス0.035mm。
タイミング側はレース内径は34.95mm シャフト径は22.23mm 6.35mmのローラーを入れクリアランス0.02。
シム無しでスラスト量計測し、コンロッドがクランクケースの真ん中に来るようにし、スラスト量が0.3mm程度になるようにシムの厚みを調整。
ドライブ側1.6mmタイミング側1.7mmのシムを入れスラスト量0.3mmに。
クランク、タイミングギア周り仮組みして回りっぷりチェック。
引っかかりや渋いところ無く問題なし。
ということで、オイルポンプへ。
この年式のオイルポンプはWLとは違い、フィード側、リターン側が一体式で組まれ、タイミングギアボックス下に取り付けられます。
ブリーザーギアであるオイルポンプシャフトがフィード、リターンギアを回します。
仕組みとしてはアイアンスポーツとほぼ同じ。
ポンプボディーは鉄製でポンプ内壁、ギア共に状態良い。
まずチェックバルブのチェック。
大分オイルが落ちるとオーナー様が言われていたので、チェックバルブ座面部擦り合わせして、光明丹で当たりっぷりチェックし、灯油をいれ漏れチェック。
オイルポンプガスケットはもちろん無いので0.2mmのガスケットシートを使い製作。
マウントボルトは元々一本長いボルトがはいていました。
というのは、ケース側ねじ山がナメ無くなり、奥の残っている螺子山を使いとめていました。
また、もう一箇所螺子山がなめかかっていましたので合計2本ヘリサート処理します。
クランクケースをボール盤にセットし垂直水平を出し下穴開け、タップたて、コイルを入れます。
ネジサイズは1/4”-24UNSです。
同じく2箇所目もボール盤にセットし垂直だしヘリサート。
ちなみに入れたコイルは2D。2ダイヤの略でコイルの全長がボルトの直径×2ということになります。
この長さが長くなれば、螺子とのはたらいている距離が長くなりますので、強くなります。
螺子がはたらいている距離が少なかった元々のボルトはやめ、螺子部を長くしたスタッドボルトを使います。
パン・ナックルのオイルポンプ用スタッドの螺子部の距離を増やし使用。
オイルポンプを仮組みして、回りっぷりチェック。
このオイルポンプは位置決めのダウエルピンも無く、ねじとポンプボディーのボルト穴もガタがあるので、オイルポンプボディーの組み付け位置により、オイルポンプの回りっぷりが変わります。
ボディーを少しずつ動かしながら、いい位置を決め締め付け。
やばい酷い眠気に襲われてきたので、続きはまた次回。
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