1947FL1200 シリンダー
2016年 12月 07日
エンジン腰下、ヘッド周り組み付け作業が終わり、シリンダーボーリングというところで、今さら問題が・・・。
フロントシリンダーとリアシリンダーの長さが違うのです。
このことに関しては非常に反省しました。
計測、清掃、仮組みと生徒さんに細かくやってもらっていることは、その機械をよく観察する意味合いを持ってまして、私自身が「よく観察する」ということを出来ていませんでした。。。
落ち込んでいてもしょうがないのでとにかく計測してみます。
シリンダー上面がフロント側が段付きになっているのに対しリア側はほとんど段が付いていません。
これを見逃していました・・・。
高さを測ってみると、フロントに比べリア側は3mmも低い。
とりあえず圧縮比を計ってみて今の状況を把握します。
元々付いていたピストン(右)と新しいピストン(左)
新しいピストンは圧縮比7:1~7.5:1になるであろうローコンプピストンなので、元々付いていたほうは8:1~8.5:1あたりのコンプレッションピストンであろう。
この元々付いていたピストンで計測します。
まずはフロント側圧縮比を液体注入法で計測。
圧縮比 7.7:1で良い数値であります。
リア側も計測。明らかにピストンが飛び出ています。
圧縮比 9.6:1と高すぎる数値。
やはりこのシリンダーをこのままでは使えません。
リアシリンダー上面には明らかに削った跡がありましたので、ヘッドがフレームに干渉するため削ったのではないかと考え、クランク・シリンダー・ヘッドをフレームに仮組みしてチェック。
ヘッドとフレームの隙間は問題なし。3mm高くなったとしても問題なく乗っかるであろう。
とするとなぜシリンダー上面をあんなに削っていたのか?
でもうひとつの問題。
クランクケース、クランクシャフト軸受け部のラインを出した後、ケースベース面とフレームとのマウント部の面研をしてありますので、ケースをフレームに仮組み。
リア側マウントだけを締め付けると、フロント側が持ち上がりフレームとケースに2.3mmの隙間が開きます。
そのまま組んでしまうと、ケースが常に力がかかった状態で組むことになってしまうので、シムを製作しフレームマウント部に対しエンジンが水平になるようにして組みます。
するとエンジンが起きた分ヘッドロッカーアームカバーがフレームシートポスト部に干渉するという問題が。
元々、ここは隙間がないのですが、ちょっと接触しすぎ。
何かを正そうとすると何かが駄目になる、まずいスパイラルになってきました。
リアシリンダーの件も含めまだまだ、考えることが多いです。
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