平日の授業風景 ~1964XLCH900分解作業~
2016年 11月 16日
1964XLCH900
以前、部分修理コースでフロントフォークOH、キャブレーターOH、配線引き直しをやったSくんのアイアンスポーツ。
走行中にエンジンストールしエンジンがかからなくなったとの連絡。
クランキングはするものの、圧縮は少ないとのこと。プッシュロッドを見てみるとクランキングしてもプッシュロッドが4本とも動いていないということ。
こりゃピニオンギア周りが怪しいということで緊急入院。
というわけで、カムカバーを外してみるとピニオンギアが思いっきり割れています。
ピニオンシャフトの振れチェック。
0.04mmで少々振れはあるもののギア割れした原因ではないだろうと・・・。
カムカバー周りをチェックすると#2カムブッシュのところにクラックが。
ギア欠けをおこし、ギアが噛みこみその際に#2カムギアに力がかかりクラックが入ったと思われます。
一応計測するとカムブッシュのクリアランスは良いものの、ピニオンシャフトブッシュはシャフトに対し0.4mmのガタがあり、ビッグエンドを潤滑する油圧も逃げていたことでしょう。
ともあれ、カムブッッシュ、ピニオンシャフトブッシュをやり直すためには、クランクケース側とのラインをだす必要があるため、クランクを分解しなければなりません。
最近このアイアンを手放そうそ考えていたオーナーさんですが、覚悟を決めてエンジンOHすることに。
というわけで、エンジンを分解していきます。
まずは腰上分解。
ピストンは前後とも抱つきを起こしています。プラグホールを濡らしていたオイルの原因はこれかしら。
CHのオイルタンクマウントボルトは転造ねじになっている専用ボルト。
頭を細めたボルトを使い抜き取り。
オイルタンクを抜き取り、エンジン腰下を降ろします。
エンジン分解前に車体周りの気になるところを修正。
まず、センターからずれていたホイールをスポークで調整しセンターだし。ついでに振れチェック。
また、リアショックをはずしスイングアームのガタチェックし問題なし。
曲がっていたフットペグサポートの取り付け部分も熱し曲げ修正。
1947FL1200
Iさんのナックルヘッドは地道な作業であります。
オイルタンクのオイルライン取り付け螺子部の修正。パイプラインが入るここの螺子は垂直にナットを入れづらく、螺子がやられていることが多いです。
あまり使わない9/16”-24山UNEF(Extra Fine)のタップ・ダイスを使い修正。
でオイルタンク清掃でありますが、スラッジと鉄粉が酷い。
リジットモデルのオイルタンクの形状はスラッジが溜まりやすいフィード側にアクセスしづらく、また覗くことができないため、ひたすら灯油を入れシェイクしスラッジ、鉄粉がなくなるまで清掃。
ほぼ1日がかりでした。
ともあれ綺麗になり取り付け。OHしたエンジンに鉄粉スラッジ混じりのオイルを投入することはできませんから。
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奈良 純