1976FX1200 オイルポンプ&クランクシャフトベアリング
2016年 10月 14日
オイルポンプはオイルポンプボディー内壁に傷が多かったのでS&S製のオイルポンプに交換。
うちでS&Sのオイルポンプを使うのは初めてです。
オイルポンプチェック。
オイルポンプギアをオイルポンプボディーに組むとギア面がボディー面より約0.1mm出ます。
ガスケットの厚みは0.2mm。
組み付けガスケットが潰れ0.05mm程度のクリアランスになると思われます。
S&Sのオイルポンプは81年以降のオイルポンプと同じ仕組みとなっています。
そのため80年以前のクランクに組む場合は加工が必要です。
80年以前のオイルポンプと81年以降のオイルポンプの違いはリリーフバルブの経路です。
そもそもリリーフバルブはエンジン高回転時に行き過ぎてしまうオイル量をコントロールするもので、ある一定の油圧がかかると、オイルをエンジン側に行かさず、別の場所に逃がします。
80年以前のものは、ある一定の油圧がかかるとリリーフバルブが開き、リターン側のオイル経路へオイルを逃がします。81年以降のものはリリーフバルブが開くとフィード側のオイル経路にオイルを逃がします。
問題なのが、リリーフバルブの上部のオイルで、ここにオイルが溜まってしまうとリリーフバルブが開きづらくなるので、こちらも逃がし経路があります。
80年以前のものはリリーフバルブのプラグボルトに経路があり、リターン側オイル経路とつながります。
81年以降、S&S製のものはリリーフバルブの上部からカムギアケースにオイルが逃げるようになっています。そのためケース側に逃がしの穴を開ける必要があります。
というわけで、ケースに穴をあけます。画像上のオレンジの点の位置にドリル冶具を使い穴を開けタイミングギアケース(ブリーザーギア上)に穴が開いています。
オイル経路9AからCの部分の穴を開けたということになります。
締め付けトルク10N.mで締め付け、ギア回りっぷりチェックしO.K。
オイルポンプの加工ごとチェックが終わり、クランクシャフトベアリング周りの作業に。
スプロケットシャフトベアリングはレース圧入し、テーパーベアリングのスラストチェック。
シム調整をしてスラスト量0.04mmに。
スラスト調整後、ベアリング圧入し、シール圧入。
ピニオンシャフトベアリングはレースラッピングした、レース内径44.595mmにあわせ、6.41mmノローラーを使いクリアランス0.025mmに。
クランクケースを閉じ、タイミングギア周り、オイルポンプを組み、腰下完成。
VMSでの作業はここまでで、後は熊本で腰上組みつけとなります。
K君お疲れ様でした。また何かあったらご連絡下さい。
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