2016年 09月 06日

1971 BSA A65 クランク周り

今日は先日に引き続き、BSA・A65ネタでありますが、今回はTさんのBSA。
此方も気がつけば全然ブログに上げていなかったので、思い出しつつのアップであります。

この車両も色々と問題があった車両で、元々付いていたコンロッドの長さが左右違っていたり、クランクケースドライブ側軸受け部の溶接が酷かったりと、頭を抱えることが多き車両でありました。

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まずはクランクのお話から。
元々組まれていたクランクのビッグエンドジャーナル径は42.00mmで、この寸法は一番最小のアンダーサイズのビッグエンドメタルを使っても、適正クリアンスにならないほど減っていました。
また、ドライブサイドのクランクシャフトベアリング圧入部も減ってしまっていて、ベアリング内径に対し0.03mm小さく、手スポでベアリングが入ってしまうものでありました。
こりゃ使い物になりませんな・・・ということでNOSのクランクを入手。

また、左右長さが違っていたコンロッドもNOSのものを入手。


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NOSクランクを清掃し、それぞれ計測。
タイミング側クランクシャフト径 38.06mm
ドライブ側クランクシャフト径 28.57mm
でマニュアルに載っている寸法と同じで問題なし。
ビッグエンドジャーナル LRともに42.83mmでSTDサイズのメタルでいけますが少々虫食いが。


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内燃機屋さんでビッグエンドメタル合わせ、クランクバランス取り完了。
虫食いが少々あったジャーナル部分は研磨せずWPC処理。スモールエンドブッシュはガタ無くそのまま使います。
コンロッド組み付け。
コンロッドキャップがアルミのためかBSA・A65のコンロッドボルトの締め付けは少々弱めの30N.m



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ここからはクランクケース
元々組まれていたクランクケースはドライブ側クランク軸受けベアリング部が溶接され、左右クランク軸のセンターを出すのが困難だったため、クランクケースも中古で入手。
71年からシリンダーバレルスタッドサイズが5/16”から3/8”になっっています。A65が生産されていたのが72年までなので、2年間だけ作られていた3/8”シリンダーバレルスタッドのクランクケースを探すのに苦労したようです。


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ケース清掃し、ベアリング類交換。
固着しなかなか抜けなかったドライブサイドクランクシャフトベアリングレースはフラットバーを溶接し抜き取り。


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ベアリング類は錆が酷かったものの、ブッシュ周りの状態は悪くない。
タイミングサイドクランクシャフトブッシュはシャフトに対し0.05mmのクリアランス。
カムブッシュはドライブサイドはシャフトに対し0.07mm、タイミングサイドは0.06mmクリアランス。
ブッシュはホーニングしてこのままでいきます。


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なめてしまっていた、ギアボックスカムプレートプランジャーボルトの螺子部はへりサート処理。


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クランクのスラスト調整。
クランクシャフトドライブサイド軸受けローラーベアリング、タイミングサイドブッシュのBSAはクランクのスラスト調整が必要なのですが、マニュアル上0.038mm~0.076mmとなかなかタイトな数値です。

生爪を製作、芯をだし中古ベアリングの内径を拡大して、スラスト調整用の冶具をつくり、スラスト調整。

シムを使いスラスト調整。0.27mm、0.08mm、0.13mm、3種類のシムが販売されています。
また、当時純正のベアリングにはシムリテーニングなるもの(厚み0.6mm)が使われていて、シムとリテーニングをつけ調整するようになっていますが、シム無しでスラスト計測したところ0.4mmのスラスト量。
シムリテーニングは使わず、0.27mm、0.08mmのシムを入れスラスト量0.05mm。
これでいきます。


というわけで、そろそろ疲れてきたので今日はここまで。






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by sgf1906 | 2016-09-06 01:54 | 1971 BSA A65 | Comments(0)


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