1978XLH1000 腰下分解・計測作業
2015年 12月 19日
まずは前回分解したタイミング周りから軽く清掃して計測作業。
カムブッシュはカムに対して0.03mm~0.05mmのクリアランスで状態良し。
#1カムが残念です。
タペット&ガイド計測。
#1~#3のタペットとガイドのクリアランスは0.04mmで状態良し。ローラーのガタも0.02mm程度。
#4はガイドは良いがタペット一部磨耗あり、ローラーのクリアランスも0.04mm。
ケースを降ろしまずはオイルポンプ分解・清掃。ポンプの状態良し。
ケースを割りクランクお目見え。
スプロケットシャフトベアリングはベアリング側、レース側ともに虫食い多し。
分解前にクランクを回すと少しゴリゴリとしていました。こちらはもちろん交換。
ピニオンシャフトベアリングとレースも同じく虫食い。こちらも交換。
ケースは軽く清掃。
クランク分解前に芯の触れっぷりチェック。
スプロケット側0.1mm・ピニオン側0.07mm振れています。
コンロッドのスラストは0.2mm程度。
クランク分解。
元々ビッグエンド部のガタが多かったので腰下分解したのですがここまで悪いとは・・・残念。
フロント、リアともにベアリングレース虫食い。クランクピンも駄目です。
クランクピンは交換。ベアリングレースはラッピングして虫食いを消し、オーバーサイズのローラーでいければよいのですが、駄目であればレース交換。ともかくラッピングしてみます。
一応計測。分解前の予想どおり縦方向で0.08mmのガタ。
クランクの錆や虫食いが多いことから考えると、動かさずに置いておいた期間が長かった車両だと思われます。
トランスミッションメインシャフトベアリング計測。
クリアランスは0.04mm程度で数値的には良いのですが、こちらもレースに虫食いが・・・。
このレースはラッピングしてオーバーサイズローラーを入れることもできるのですが、アイアンのトランスミッションローラーは23個で少なく、ラッピング後オーバーサイズローラーを入れると隣りあわせで入るローラーは23個入らなくなり、22個入れローラーの間に隙間が開く状態になります。23個入るようにラッピングするとクリアランスは多くなってしまいます。というわけでレースは交換。
ケースを良く暖め、ピニオンシャフトベアリング、カムベアリング、T/Mメインシャフトベアリングレース抜き取り
スプロケットシャフトベアリングレースも抜き取り、ケースのねじ部すべて修正。
38VELOCETTE KSS MKⅡ
午前中は2時間ばかりベロセットの試乗。
キャブのクシャミやアイドリングが不安定になることもなく状態は悪くない。
プラグの焼け色が少々白めですが、ここからニードルポジションを上げたり、メインジェットの番手を上げたりするとくすぶり始める・・・。もうちょっと乗り込んでみて問題なければO.Kでしょう。
この車両はミッション・ギアボックスだけうちでオーバーホールしたもの。
エンジンの状態がわからない、この年代の車両の試乗は非常に緊張します。
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奈良 純