VELOCETTE THRUXTON エンジン組み付け、車体周り修正
2015年 09月 20日
エンジン組み付けていきます。
シリンダースタッドボルトはすべてネジ修正、頭のマイナス部分が駄目になっていたスタッドは新品に交換。
他のスタッドのマイナス部分も少々修正。
でシリンダーとヘッド組みつけ。
スラクストンのプッシュロッドチューブはネジ止めではなく、ぶっさすだけ。シーリングはOリング。
スラクストンのヘッドにはスタッド部のオイル漏れ予防、Oリング溝が始めからありました。
大体潰れてしまうワッシャーは45Cのものにして、ヘッド締め付け。締め付けトルクは27N.m。
カムギアに印されている位置でカムタイミングチェック。
このプッシュロッドはシックネスゲージでタペットクリアランス調整ができないので、アジャスターネジの緩めっぷりで調整します。
このアジャスタースクリューは5/16”-26山
26山ということは1インチ(25.4mm)に26山あるということなので、アジャスタスクリューを1周回すと0.97mm、1/8周で0.12mm移動するということになります。
チェッキングクリアランスは IN1.34mm EX1.32mm なのでクリアランス0地点からスクリューを1-3/8周緩めたところでチェック。
マニュアルだとIN OP 45° BT IN CL 55° AB EX OP 65° BB EX CL 35° AT
実測値 IN OP 50° BT IN CL 50° AB EX OP 65° BB EX CL 35° AT
インテークは5度程度ずれていますが良いでしょう。
カムタイミングが問題なかったところで、点火タイミング調整。
ポイントギャップは0.3mmにあわせ進角位置上死点前38度位置でポイントが開き始めるところに調整。
タペットをランニングクリアランス IN0.15m EX0.2mm にあわせ、オイルラインなどをつけ、エンジン完成。
で車体周りのお話。
ミッションマウントとフレーム、エンジンケースを共留めるボルト。このボルトはフレーム側にねじ山が切ってあるのですが、ここのネジがナメ気味ということで・・・。ここのボルトは留めずらいからな。
確かのボルトはネジを回さずとも1/3程度入ってしまう状態。
とりあえずタップを立ててみると、ねじ山はいけそう。
元々入っていたものより直径が0.2程度太いボルトを製作。
O.Kちゃんとネジは利いています。
組み付け前のケースを仮組みして、問題なく組めるかチェック。
もうひとつの依頼、メーターギア交換。
元々ついていたギアがやられ動かなくなっています。
アクスルシャフトを締め付けると渋くなるのでカラーの問題か。
新品のギアを組み付けてみると、やはりアクスルシャフトを締め付けると動きが渋くなる。
カラーの厚みが足りずにギアがホイールに押し付けられてしまうのでしょう。
このカラーを製作しようと考えたものの、絶妙な距離を出すのが大変なことと、焼きを入れなければいけないということで断念。
元々ついていたギアにもカラーとあたる位置にシムがついてます。
このシムが潰れてギアがやられてしまったのでしょう。
というわけでシム調整。
なんやかんや探していたら、アイアンのカムシムがドンピシャ。以前に作ってあった厚めのものがあったので好都合。結局0.8mmのシムを入れてO.Kです。
スラクストンさんのうちでの作業はここまで。
イヤー生スラクストンは格好良いですな。
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奈良 純